製品使用のご注意

  1. R/Cサーボの上手な使い方
    1.  R/Cサーボの仕様書には起動トルクしか(Ts)明記していません。もともとは飛行機用として開発されたものだからでしょう。飛行機は操舵する時間が短く、曲技飛行でもそれほど電流を流し続ける時間は長くありません。ですから、DCモータのコイルに流す電流で発生する発熱量も少なく、短時間での電力供給使用条件下では起動トルクに近い状態で使用しても発熱問題が起きることは少ないのです。例えば、当社のSSPS-105は起動トルク380kg-cmですが、サーボの出力軸に負荷をかけたまま連続的に電流を流すと入力エネルギはすべてモータからの熱に変換されます。この際、サーボ内のモータの巻き線の耐熱が120度が限界のため、気温や放熱条件によっては20kg-cmでしか使えないこともあります。
    2.  R/Cサーボが壊れるのは、墜落等による極めて大きい衝撃によってか、発熱による熱破壊かの何らかで、後者が99%以上を占めているといっても過言ではありません。
    3.  熱破壊を起こさせないのがR/Cサーボの上手な使い方で、以下に熱破を防ぐ方法を解説します。
      1.  DCモータには起動時、コイルの直流抵抗分に流れる起動電流が流れ、モータが回転し始めると自己起電圧を生じ、入力電流が減ります。これにより、回転時間を長くすれば平均入力電流が減ります。ところが一般にサーボモータでは数秒以上の連続回転をすることはありません。したがって、ほとんどが起動電流に近い電流を流して使うため、モータ仕様書に書いてある連続定格電流は意味を持ちません。  当方の実験では、1秒間に3回の往復制御信号をサーボに送り、ギヤなしのまま、無負荷でDCモータ単体をテストした結果、総て、約30分で焼損しました。
      2.  ジャイロスコープを併用したシステムの場合、以下の図のようにレスポンス調整やフィルタリングをしないとサーボ制御パルスはジッタを持ちます。ジッタを含んだままでコントロールを行うと、モータは細かな左右回転をするだけで起動電流が流れ続ける往復回転を繰り返すため、特定のコイル極が焼損します。
        ジッタブロック図
      3.  大きなエンジンのスロットル用に使用し、ホーンに受ける振動が大きい場合、サーボの出力軸が微量でも揺り動かされると、元に戻そうとサーボアンプが働き、同様に一部のコイル極が焼ける原因になります。このような場合は機械的フィルター及びダンパーを仲介させ、さらにサーボへの連結機構の慣性を極力減らして下さい。大型飛行船の方向舵操作で、エンジンそのものの方向を回す場合、大きな振動とエンジン重量を負担することになり、相当な工夫が必要です。
      4.  大型ビデオカメラのチルト(縦方向の動き)に使用する場合、傾きによる重心の移動がサーボにかかり、極焼けの原因になることがあります。カメラの重心に回転中心を合せて下さい。つねに力が掛かっていてその状態を保持することをホールドと呼んでいます。R/Cサーボのホールド力は起動トルクの1/20以下なのです。
      5.  油圧機器等のバルブの切り替えや力が常にかかるような場合に応用する時には下図を参考にして下さい。
        カムフォロワ
         この図は、カムとカムホロワーの組み合わせの機構です。a、b、それぞれの到達点において、サーボの出力軸の多少の誤差は、それぞれの到達点ではR1、R2上にあり、まったくサーボに力がかかりません。サーボに力がかかるのは、a点からb点に移動するときだけで、この移動時間が短い場合、起動トルクに近いパワーで使用できます。理想的な使い方です。 なお、カムの中間点では負荷がかかりますので10秒以上止めることは出来ません。モータロック状態で電流を流すと30秒で焼損します。
      6.  下図はモータをロックした状態で電流を流した続けた場合を示します。コイルaとcにしか電流は流れず、発熱がこの極だけに集中し、30秒でモータが焼損する様子です。
        コイル焼損
      7.  下図は下支点Paを原点とし、Pbへ重量物を持ち上げる場合の考え方の例で、原点Paで弛みをとり、何らかの条件でホーンの回転位置制度が保たれなかったとき、無理な荷重がかかり、先に述べた極焼防止の考えです。 上支点Pbの条件を見てみましょう。上支点Pbでは作用線がホーンの軸線と一致しています。このとき軸(ホーン)には回転力、即ちトルクは働きません。 位置が多少ずれても極く微小な負荷トルクしか働きません。従って、DCモータには小電流しか流れず、発熱がなく、壊れないことになります。
        持ち上げ装置図
         以上、R/Cサーボモータの使い方の要領を例をあげて説明しましたが、リンク機構の場合も同じ考え方を採用して下さい。